第78回日本公衆衛生学会総会に参加しました
2019年11月20日
2019年10月23日~10月25日に高知県で開催された第78回日本公衆衛生学会総会に参加し、ふじさわプラス・テン関連研究の成果として3題発表しました。
○壮年期と高齢期における個人レベルのソーシャル・キャピタルと主観的健康観の関連(ポスター)
:川瀬研究員
○住民主体のグループ運動の実施状況:藤沢市老人クラブを対象とした悉皆調査(ポスター)
:齋藤助教
○高齢者コミュニティにおけるグループ運動参加者の移動機能と体力変化に関する縦断研究(口頭)
:D1伊藤
今回の学会では、多くの方から「藤沢市の取り組みに注目している」とお声がけいただきました。公衆衛生研究者や地域介入や社会実装の専門家との議論を通し、今後のプロジェクトの方向性を考える良い機会となりました。
【発表概要】
『壮年期と高齢期における個人レベルのソーシャル・キャピタルと主観的健康観の関連』
川瀬研究員は、地域の絆やつながりの指標であるソーシャル・キャピタルと、自分自身が健康と感じる度合いである主観的健康観の関連を検証した結果を報告しました。藤沢市健康増進計画(第二次)に伴う市民3,000名へのアンケート調査を用いて、壮年期と高齢期の年代別に検証しました。
その結果、両世代とも地域での活動状況や地域の健康づくりに積極的かどうかが、主観的健康観と関連していました。高齢期だけでなく、壮年期でもソーシャル・キャピタルの醸成が健康状態に関連する可能性を報告しました。
『住民主体のグループ運動の実施状況:藤沢市老人クラブを対象とした悉皆調査』
齋藤助教は、藤沢市老人クラブ連合会の全127クラブにご協力いただきました、グループ運動実施状況のアンケート結果を報告しました。
何らかのグループ運動を行っているクラブは75%。多くのクラブでは気軽にできる体操を取り入れていました。週1回以上定期的に体操を実施しているクラブは全体の29%。今後、アンケート結果をより詳細に分析し、地域の重要なリソースである老人クラブでグループ運動を実施・継続していくための仕組みを検討していきます。
『高齢者コミュニティにおけるグループ運動参加者の移動機能と体力変化に関する縦断研究』
D1伊藤は、ふじさわプラス・テンプロジェクトに2015年より参加いただいている小グループの方々が、3年間のグループ運動を通して、体力(下肢筋力、握力)がどう変化したかを発表しました。
何もしなければ、高齢者の体力は加齢とともに下がっていきますが、プラス・テン参加者の多くの方は体力を維持できていることがわかりました。また、初回調査でロコモの傾向がなかった方は、下肢筋力の指標である30秒椅子立ち上がりテストが3年間で平均4回増えていました。